【驚愕】起業する時に補助金をもらうと失敗する3つの理由
起業してから色んな人に会って来ました。

その中でもダントツに、「今考えている新しいタイプの飲食店は確実にヒットするが、旅立つ資金がない…。」「売りたい製品があるが、パッケージ化するために思った以上の資金がかかることがわかった、でも何とかパッケージ化して販売したい!」という話をされる方が多かったです。

そういう方にオススメされているのが、自治体などでのセミナーによく聞く「補助金」です。
今では起業予定者向けの補助金があり、国や自治体が開業資金を補助してます。

しかも「返さなくても良い」という、これまた太っ腹なお金です。
ただでもらえるお金です。
※一部返納の可能性あり

補助金というのは、すごく魅力的なものです。
利子をつけて返す必要はありませんし、ただでもらえるお金ですから、たくさんの人が補助金を取ろうと躍起になっています。

ですが、補助金は「目的ではなく手段」です。

魅力的なものだけに、補助金をもらうことが目的となり、ビジネスは後になることがよくあります。

色々な意見はあると思いますが、僕はこれから起業したいと思っている人に、補助金はオススメしません。

補助金をもらっている経営者とお会いすることがありますが、危うく倒産寸前のところまで追い込まれている人も数名見かけます。

全てが補助金のおかげであり、補助金をもらったがために発生したトラブルもあります。

僕自身は補助金をもらって起業していないですし、おそらく今これからビジネスをゼロから始めようとしたとしても、補助金は絶対にもらいません。

今回の記事では、おいしいと言われている補助金をなぜもらわないのか?
なぜこれから起業する人にオススメしないのか?
起業する時に補助金をもらうと失敗する3つの理由を紹介していきます。

補助金のメリット・デメリット

メリット

返済義務がない

返済義務がない
補助金というのは、国や地方自治体からもらえるお金です。

補助金というのはあくまで補助金であり、融資や借金ではありません。
借金ではないので、返還義務はありません。
※一部返納の可能性あり

利子がつく心配もありませんし、取立て屋さんがドンドンと扉をたたくことも一切ありません。

事業整理ができる

事業整理ができる
補助金をもらうためには色んな資料作成が必要になってきます。

補助金の多くは、応募申請書、事業計画書、経費明細書、事業要請書などが必要になります。

これから起業する予定の人がこれらの資料を作るだけでも、「自分がこれから何をやっていくのか?」「事業リスクは?」「実際にかかりそうな経費はどれくらいだろう」という立ち止まって考えられる時間がもてます。

資料を作れば成功する、というわけではありませんが、これからやろうとしているビジネスをしっかり練り直したり、整理するためのよいきっかけになるでしょう。

デメリット

補助金はただでもらえてしまう魔法のお金です。
そのためあらゆる手段を使って「目先のお金」にむらがります。

ですが、それだけに相応のデメリットがあります。
僕の後輩でとある企業幹部は、「補助金倒産になりかけている…。」と打ち明けてくれました。

どんな良い面しか見えないようなことにも、必ずデメリットはあります。

対象期間・経費は厳密

対象期間・経費は厳密
補助金がもらえるのは、「採択を受けた後にかかった経費のみ」が対象です。

採択前に備品を購入したり、その他経費を使ってしまった場合は補助対象外になってしまいます。
※見積りのみであれば大丈夫です。

収益納付

収益納付
100%全額ただでもらえる補助金ですが、一部返納の可能性があります。

創業補助金の場合、事業完了後も5年間にわたる報告義務があります。
収益状況によっては、補助金を返納することになる可能性もあります。

小規模事業者持続化補助金の場合、返還義務がありませんが、補助金を使って商品を開発し、販売して利益が出た場合は、「収益納付」といって、補助金額から減額されます。

※広告宣伝費は収益との因果関係が不明確なので、収益納付は不必要です。

事務手続きが手間

事務手続きが手間
めでたく補助事業として採択されて、補助金がもらえるようになったとしても、事業完了後も5年間にわたり補助事業の事業化報告、収益状況報告が要求されます。

人件費などで補助金をもらおうとすれば、書類を提出するだけでも百科事典並の分厚い資料提出が必要です。
想像を絶するほどの資料作成の手間と時間がかかります。

この書類を書くだけでも相当の苦労が必要ですし、提出先から大量の駄目出しをもらうこともあります。

時間も手間がかかるためかなりストレスが溜まります。
精神的にもまいってしまいます。

これらの書類作成のために、時間も手間も、精神的疲労、ストレスをかけるくらいなら、ビジネスにフォーカスしたほうがよっぽど売上げが上がります。

何よりその書類を委託した場合は、経費として認められない(補助対象外)ので自費で支払う必要があります。

先払い(精算払い)

先払い(精算払い)
まずは自分で支払わなければなりません。

補助金は後でもらうため、その間は自分自身で資金繰りを何とかしなければなりません。

資金がなければ補助金が振り込まれるまで間、ビジネスが継続できなくなることもあるので、つなぎ融資が必要になることがあります。

給付金の仕分けと課税

給付金の仕分けと課税
支払い消費税は補助金の対象外です。

売上げが上がると税金の支払義務が発生しますが、税金を少しでも少なくしようとして不必要な投資をすると、消費税が払えなくなるような笑えないケースも出てきます。

専門家へ依頼する場合の落とし穴

専門家へ依頼する場合の落とし穴
「補助金って難しいから、詳しい人に依頼したい…。」

そういった方のために、補助金をスムーズに受けられるように手続きを手伝ってくれる専門家がいます。

専門家への謝金も補助金で一部まかなえるため、相談者としては嬉しいものですが、中には悪徳専門家も存在します。

専門家への謝金は大きく3種類あります。

・着手金(申請書のボリュームに比例)のみ
・成功報酬(交付金額の10%)
・着手金 + 成功報酬

着手金目的で、うまくいきそうもない人を受けさせて、落とさせるケース。

また、国から認められている成功報酬金額を逸脱したような支払い例もあるようです。

代表的な起業補助金の例(2016年5月現在)

創業補助金

新たなニーズを興す創業プランを応援する補助金です。
簡単に言うと、専業主婦でも会社員でも、ニートであっても、「これから起業したい人」であれば申請ができる補助金です。

※かかった経費の2/3(100万円以上~200万円以内)が補助(支援)されます
※補助金として認められもらえた場合は、返還しなくてもよい
※一部返納の可能性あり

「創業・第二創業促進事業」は、新たに創業する者や第二創業を行う者に対して、その創業等に要する経費の一部を助成(以下「補助」という。)する事業で新たな需要や雇用の創出等を促し、我が国経済を活性化させることを目的とします。

※本補助金の対象となる事業の実施に当たっては、国が行う補助事業と同様に、『補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律』の規定が適用されます。

※創業・第二創業促進補助金事務局より抜粋

経費の条件は色々とありますが、大きく「自分の給料」「長期間使用できる備品(例:PC)」などは経費として認められません。
その他の広告宣伝費、専門家への謝金は経費として認められ、2/3が補助されます。

補助金と助成金の違い

補助金という言葉を知ると、助成金という言葉にも出会います。

補助金と助成金は同じ返還義務のない国から補助されるお金ですが、大きく違う点があります。
補助金と助成金の違いを表にしてみました。

補助金は審査があり、給付の確率も内容によりけりです。
場合によっては返納しなければならない場合もあります。

対して助成金は、要件を満たしていればほぼもらえます。
返納の可能性もありません。

例:特定求職困難者雇用開発助成金
高年齢者(60歳以上65歳未満)、障害者等の就職が特に困難な者を雇い入れた事業主に支給されます。

起業予定やスタートアップで選ぶなら補助金、すでにビジネスを行っている人であれば助成金というイメージです。

補助金をもらうと失敗しやすい3つの理由

補助金をもらうと失敗しやすい3つの理由
補助金をもらって起業した人、僕自身がビジネス上でもらえる補助金や助成金を活用してきたことを踏まえた上で、やはり補助金はよっぽどのことがなければ受けるべきではないな、と感じています。

3つ理由をまとめました。

他人の資金では真剣になれない

創業補助金の場合であれば、かかった経費の2/3が補助されます。

補助金は減額などの例外はあるものの、原則「返還義務のないお金」です。
要するに「ただでもらえるお金」です。

こう考えると、最大200万円ももらえる補助金というのはすごく魅力的に感じます。
以前の僕もそう考えていました。

ですが、これから起業しようとする人が、最初から他人のお金に頼っていて成功できるか?と考えると、それは難しいと思っています。

しょせんは他人のお金ですし、返さなくても良いという甘えが必ずでてきます。

自分の身銭をきっているのであれば、みすぼらしい備品を、
「ちょっとだけグレードアップした備品にしよう!」
とは思わないはずです。

でも、他人のお金だと簡単にそれが通ってしまう。
自分の心に隙ができて、甘えが出てしまいます。

自己資金100%でなければ、備品ひとつ、広告宣伝ひとつ、専門家に相談ひとつ、真剣になれません。

起業家としての力がみにつかない

最初から他人のお金にすがりつこうとしているのであれば、起業なんてしないほうがいいと思います。

世の中の成功者を見てみると、みんなどん底からスタートしています。
最初から他人のお金にしがみついていません。

特に僕が見ている中で、そうやって最初から 「補助金ありき」 でビジネスをスタートしている人は、起業家としての考え方がすごく甘い。

本来なら全て自己資金のところを、2/3を補助してもらうので当面のお金の面では苦労しません。

でも起業家としての本質が問われるのは、「お金がなくなってきたとき」です。
お金がなくなってきたときにすぐにへこたれてしまうのであれば、最初から起業なんてしないほうがいいんです。

一番問題なのは、「補助金ありき」でスタートすると、「そのビジネスに本当に情熱があるかどうかが分からない」という点です。

情熱がある人は、補助金がなくてもやりますし、資金が足りなくても自力で何とかしようとします。

ビジネスをするためには、情熱があることは絶対条件です。

情熱は起業家にとって大切な「牙」であり、強力な武器です。

色んなトラブルに巻き込まれたとき、悩み不安、フラストレーションにさいなまれたとき、何とかできるのは他人ではなく、あなた自身の情熱です。

情熱があらゆるトラブルを解決してくれます。
情熱があらゆる悩み、不安、フラストレーションを解消してくれます。
そして、情熱がなければ勉強やスキルを磨こうとも思わないでしょう。

補助金ありきで起業すると、その情熱を冷ましてしまうことになりかねません。

情熱が冷めてしまうと、起業家としての牙を抜かれるので、力が身に着かないわけです。

大事なのはお金ではない

ここ一番大事です。

これから起業する人にとって必要なのは「お金」ではなく、根拠です。

情熱やスキルは最低限必要として、残りで必要なのが「根拠の積み重ね」なんですね。
ビジネスをやっていく上では、必ず不確定要素がたくさん出てきます。

広告をうってみたけど思った以上に反応がなかった、従業員がいきなり辞めてしまった、代理店契約を勧めていたが、あまり儲からないことがわかった、取り扱っている商品・サービスが思った以上に売れなかった… 、という「想定外」のことは100%起こります。

そういった想定外のことが起こったときに、それまでにどれだけ根拠を積み上げていくか?が大切になってくるわけです。

特にお金がかかってくる問題であれば、ストレスが出てきます。

そのために、「小さな根拠」を積み上げていくことが大切です。

いきなり多額の広告費をかけて宣伝するのではなく、最初はお小遣い程度で広告をうってみる。
最低限の反応率を見て、悪かったら改善し、良ければそこで得られた利益で次の広告をうつ。

そして、それで同じような反応がとれたら、その得られた利益でもう少し予算を追加して広告をうつ。

そうやって繰り返していれば、最初はお小遣い程度の予算しか立てられなかったとしても、出た利益を次の広告投資に費やしていけば、次第に売上げは伸びていきます。

店舗ビジネスも一緒です。

飲食店をやりたいからといって、起業初心者がいきなり多額のお金を使って店を持つというのは危険です。

飲食店というのは出展場所で大きく売上げが変わってくるので、まずはお店の出展場所を決めるのに、手押し車で営業してもいいと思うんです。

手押し車で色々と場所を変えていれば、ここだという所にたどり着くかもしれません。
そうやって最初はお金をかけずに、小さく小さく始めればお金なんていらなんです。

必要最小限でビジネスはスタートできます。

必要最小限で始めたビジネスで少しずつ出た利益を、設備投資だったり、商品開発だったり、広告宣伝費に使っていけば、補助金などはもらわなくても起業はできます。

大事なのはお金じゃないんです。
ビジネスに対しての情熱であり、小さな根拠の積み重ねなのです。

まとめ

「【驚愕】起業する時に補助金をもらうと失敗する3つの理由」いかがだったでしょうか?

補助金のメリット、デメリット、助成金との違いやオススメしない理由を書いていきました。

かくいう僕自身、補助金や助成金の恩恵を受けている一人です。

補助金であれば2015年度の小規模事業者持続化補助金では100万円、助成金であればキャリアアップ助成金も活用させていただきました。

「どうせやる事業だし、もらえればラッキー、駄目でもそのビジネスはやる予定」

という気持ちで試しにやってみましたが、事業計画書を綿密に書いたり、やり取りしていく中で、受けたこと自体はすごく勉強になりましたし、出して良かったなと感じています。

ですが、総合して振り返ってみてみると、国からもらえるお金とだけあって、書類がとにかく面倒でした。

申請を出すためには社労士さんに依頼したり、自分でも作成してみました。

申請だけならまだしも、給付を受けるための届出を出すのもすごく面倒です。

「こんなに面倒ならその分ビジネスにフォーカスして、お客様や提携先様に何か価値を提供した方がいいな。」
って純粋に思えました。

なので、キャリアアップ助成金も途中で辞退していきました。
確かにただでお金をもらえるというのはすごく良いことだと思います。

数十万、数百万円が「ただでもらえるお金」なので、みんな獲得するのに必死です。
中には数千万円もらえる補助金もあります。

僕の後輩は、補助金ありきでスタートしたビジネスが軌道に乗らないのに、人を数名雇い入れたようです。
※雇用が条件の補助金でした。

うまくいっていないので、補助金需給が終われば、おそらくそのビジネスは終わりです。

ですが、人材は残ります。
1度雇い入れた人材は簡単には辞めさせられません。

つまり、補助金が終われば赤字を垂れ流し続けるというビジネスを持ち続けてしまうことになってしまいます。

補助金をもらうときには「これだけお金があれば何とかなるだろう…。」という甘い考えでスタートしたことが全てのきっかけでした。

このように、補助金ありきでスタートしたビジネスは、結局うまくいきません。

やはりビジネスというのは、全て自分の資金でスタートすることが大前提だと思っています。

助成を受けないと始められないようなビジネスなら、それには理由があるはず。
やるべきではありません。

最初は週末起業から、そしてお小遣い程度の小額のビジネスから始めて、少しずつ大きくすればリスクなんてありません。

※週末起業の始め方については、【週末起業から脱サラ!】アイデア一覧と5つの行動ステップでも詳しく書いています。
合わせて読んでみてください。

そうやって力をつけつつ継続してやっていけば、最初はうまくいかなくても少しずつでもうまくいくようになります。

そういった段階をすっ飛ばしてお金の力で何とかしようとすること自体、無理があります。

補助金を受けることに必死になるより、自分の知識、スキルアップに全力を注いでいってみてください。

そういった継続した活動自体がビジネスで成功するための近道だと僕は思っています。